うつ病

心当たりがないのに、気分が晴れない、落ち込んでしまう・・・。
眠れなくなったり、やる気がなくなったりしませんか?
原因がなくてもあっても、このような状態がずっと長く続いてしまうことはないですか?ふだんできることがおっくうで、うまくいかなくなったりしていませんか?

このような状態は、“気の持ち様”という問題ではなく、『うつ病』という病気が引き起こしている可能性があります。 『うつ病』ならば、脳の中の物質のバランスが崩れていることが多いため、いくら気持ちを強くもったとしても、そのバランスを元に戻すことはむずかしいことです。

困っていることや、つらい気持ちを話すことで気持ちがやわらぐこともありますが、お薬でバランスを調整しながら、専門的な治療を組み合わせることで症状の回復が見込めます。

代表的な精神症状

  • 1日中気分が落ち込んでいる、気分が晴れない
  • これまで楽しんでやれてたことが楽しめなくなった
  • 以前は楽に出来ていたことがおっくうに感じる
  • 不安・焦り・イライラ感がある
  • 自分がダメな人間だと感じる
  • 思考力が落ちる
  • 死にたくなる など

代表的な身体症状

  • 食欲がない
  • 眠れない、過度に寝てしまう
  • 体がだるい、疲れやすい など

神経症

「おかしいことだ」「したくないのに」と思っていても、手洗いや何かの確認を何度も何度も繰り返してしまい、疲れてしまうことはないですか?
前に体験した事故など嫌な出来事を急に思い出して、その時と同じきつい思いを繰り返すことがつづいていませんか?
いつもきまった状況で、突然息が苦しくなったり、胸がドキドキしたり、どうしたらいいのか分からずパニックになることはないですか?そしてその状況を避けていることになっていませんか?
何かで人前に出るとあがってしまい、声の震えや赤面、ドキドキが止まらず、予定していたことができなくなることがよくありませんか?

このような体験をされて、日常生活で苦痛に感じている方は少なくありません。
この中には、うつ状態と同じように、脳の中の物質のバランスが崩れていることが原因でおこってしまうものもあります。
精神科での専門的な治療を受けて症状が軽快や消失したことで、快適な日常生活を取り戻される方も多くおられます。

統合失調症

統合失調症は、最近テレビなどでも取り上げられていますが、約100人に1人はこの病気を抱えていると言われ、実は身近な病気です。

統合失調症がひきおこす症状はさまざまで、日常生活に大きな影響をおよぼすものもあります。その中には、本当はそこにいない人の声で悪口などが聞えてくるといった『幻聴』があります。 他にも、周囲の出来事を、自分に関連付けて、被害的に考えてしまう『被害妄想』もあります。 独り言を言っているように見えたり、外出できずに部屋にこもってしまったりするなど、周りの人には、普段と変わって奇妙に見えたりします。

このような症状を体験しているその人の苦痛はとても大きいのですが、自分でその体験を話さない限り、周囲の人はそれに気付くことが難しいかもしれません。
また、幻聴や妄想がなくても、他の症状によって、以前は出来ていたことが出来なくなってしまったり、性格が変わってきたように見えるときもあります。
しかし早い段階で病気を発見し、適切な専門治療を行うことで、症状が改善することが多いです。

代表的な症状

  • 周りに人がいないのに声が聞こえる(幻聴)
  • 監視・盗聴されていると感じる(被害妄想)
  • ひとりごと・ひとり笑いが多い
  • 考え方に一貫性がなくなる
  • 喜怒哀楽の表現が乏しくなる
  • 周囲への興味・関心がなくなる
  • 自宅にひきこもりがちになる
  • 指示通りに物事を進められなくなる など

アルコール依存症

あなたの周りで、お酒を飲み過ぎる人はいませんか?
もしくは、あなた自身「飲み過ぎた!」と思うことはないですか?
一度飲み出すと止まらない、二日酔いがひどくて仕事に行けない、家族に注意された、健康診断で肝臓が悪いと言われた、などなど。 お酒を止めるまたは減らすことで、体も心も健康になりますし、仕事も家庭も円満になります。

当院では、お酒を止めたい、減らしたいというご本人の相談はもちろんのこと、ご本人の飲酒問題で困っているご家族の相談も受け付けています。

アルコール・薬物病棟入院案内

肥前精神医療センターでは、アルコール依存症の方の治療の他に、アルコール問題の予防にもいち早く取り組んでおり、多量飲酒者への節酒指導の技法開発も行っています。 当院で開発、作成したワークブック『あなたが作る健康ノート』の基礎編、応用編と飲酒日記『あなたが作る健康日記』は、その有効性を国内で高く評価されています。 この度、飲酒運転対策あるいは生活習慣病予防に携わる多数の皆様からのご要請に応えフリーアクセスとしましたので、ダウンロードしてご使用ください。

クリックでPDFをご覧いただけます。
書籍刊行情報でも詳細をご案内しております。

認知症

「年をとったらもの忘れするのは当たり前」と思っていませんか。
記憶力も加齢の影響を受けますので、単純にものを覚える能力は若い頃よりは落ちるかもしれません。 けれど、その「もの忘れ」を放っておくと、記憶力低下が進行し認知症の状態になって、生活に重大な支障をきたすことにつながるかもしれません。

また、「定年で退職したからやることがなくなった」というので、周囲のことに興味・関心を示さず毎日ぼんやりと過ごしている方はいらっしゃいませんか。
人間の脳が活発に働いているときは、たとえ職業についていなくても年齢に応じたいろんなことに興味を持ち、いろんなことをやっているのが普通です。

認知症に対して使える治療薬が増えた現在、認知症を早期発見し、早期治療することがますます重要になっています。
あなたやあなたのご家族の脳の働きが落ちているのではないかと心配になったら、専門の病院で脳の健康診断を受けてみることをお勧めします。

代表的な症状

  • 数分前、数時間前の出来事をすぐ忘れる
  • 同じ話や質問を何度も繰り返す
  • いつも探し物をしている
  • 昔から知っている物や人の名前が出てこない
  • 日付や曜日がわからなくなる
  • 季節に合った服装ができなくなる
  • 以前はあった興味・関心がなくなった
  • 今までできていた家事や作業ができなくなる など

注意欠陥・多動性障害(ADHD)

注意欠陥・多動性障害(ADHD)は注意の障害と多動が幼少期から認められることが基本的な特徴です。 不注意な間違いを繰り返したり、一つの課題に長く取り組むことや、じっとしていることが難しかったり、後先考えずに衝動的に行動したりすることが年齢不相応に起こる発達障害です。

ADHD を持つ子どもは、ルールを守れないとか課題をしないといったことで怒られることが多く、そのため自己評価が低くなってしまい、二次的な情緒障害につながることがあります。 これを防止するため、病院では心理社会的治療と薬物療法を行います。

心理社会的治療では生活環境の構造化などの環境調整や、お子様ご本人に自分の特徴と対処法を教えていく心理教育や、子どもの現状を踏まえた目標設定をするなど自尊心に配慮した対応などをお子様ご本人と家族と学校などと一緒になって行っていきます。
薬物療法ではADHDの症状そのものの改善を図るメチルフェニデートと二次的情緒障害を主なターゲットとした気分安定薬や抗うつ薬などが用いられます。

代表的な症状

  • 宿題などの期限を守れない
  • 注意力・集中力が長続きせず、気が散りやすい
  • 忘れ物が多い
  • 授業中立ち歩く、または途中でどこかに行ってしまう
  • 手足をいじったりと落ち着きがない
  • 過度におしゃべりをする
  • 人の話を遮って一方的にしゃべる
  • 順番を待つのが難しい など

自閉症スペクトラム

自閉症スペクトラムとは、アスペルガー症候群、自閉症、特定不能の広汎性発達障害などの疾患を含めて指す言葉です。 原因は生まれつきの脳の特性によるもので、親の育て方や愛情不足によるものではありません。だいたい日本人の100人に1人が自閉症スペクトラムであると考えられています。

自閉症スペクトラムの方は自然にぱっとその場の状況を読み取ったり、その場に即した行動をとることがむずかしいという特徴があります。 しかし、全くできないということではなく、自然にぱっとはできないということなので、そのコツを学ぶことができればできるようになります。 そのコツをつかみやすくしたり適応的な行動を増やすために、その子それぞれに合ったやり方で具体的な言葉で教えてあげたり、療育を行ったり、視覚的な支援をすることが必要です。

支援を組み立てるには、まずはお子さんにいちばん近い存在の保護者の方がお子さんの特徴を知ることが大切ですが、それと同時に専門機関(医療、福祉など)による支援を受けることが大切です。 相談できる機関は佐賀にもいろいろありますので、主治医や発達障害者支援センターなどに尋ねてみてください。

代表的な症状

  • 人の気持ちを察することが苦手
  • 他者の立場になって考えることが苦手
  • 同年代の子ども(特に集団の場合)と波長があわない
  • 暗黙のあいまいなルールが分からない
  • 興味のあることを一方的に話したり、話しが飛んだりする
  • 相手の表情の意味を読み取ることが苦手である
  • 視線や表情や身振り、相手との距離などが自然でない
  • 同じものでばかり遊び、他のものに興味を示さない など

不眠症

「寝ても、途中で起きてしまう」「朝起きても疲れがとれないで、仕事に集中出来ない。」「お酒を呑まないと眠れないんだよね。」等、皆さんの周囲にも話される方は少なくないと思います。

不眠症の背景には、原因がよくわからなかったり、あるいは不眠症は表向きで、いろいろな病気が潜んでいることもあります。精神科では、この不眠症状に隠れた精神の病を拾い上げていきます。 なぜかと言いますと、ほとんど全ての精神の病には睡眠障害を伴うからです。 うつと不眠の関係では、不眠症はうつ病の発症リスクを高め、不眠症状はうつ病に先立って現れ、うつ病では不眠症状が残りやすいともいわれています。

不眠の治療として、うつ病の症状として不眠症状が出現しているならば、「抗うつ薬」、統合失調症の初期症状であるならば「抗精神病薬」、また、身体疾患(頻尿、疼痛、掻痒)に起因するものであれば、まず身体疾患の治療を行う、生活習慣に問題がある場合はその改善を行うといったように、要因に合わせて対処法を考えていくことが大事です。

不眠症の主な要因

  • 心理的なストレス
  • 精神疾患(うつ病・不安障害など)
  • 身体疾患(呼吸器疾患・頻尿など)
  • コーヒー、アルコール、ニコチン等の嗜好品
  • 薬の副作用
  • 加齢
  • 不規則な生活
  • 環境要因(温度、騒音、光) など

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