ひぜんの精神科専攻医研修の魅力について
当プログラムの基幹施設である肥前精神医療センター(“ひぜん”)は、基本コンセプトの⼀つに「優れた臨床精神科医の育成」を掲げ、四半世紀にわたり精神科研修に⼒を⼊れ、過去10年間で98⼈の後期研修医を輩出してきた、わが国でも有数の精神科臨床の「専⾨教育病院」です。
精神科研修といえば“ひぜん”
Covid-19流行に伴い今では当たり前となったオンライン研修を医師養成研修センター開設当初より始めており、当時は「ITを用いた多施設共同医師養成システム」として注目を浴びました。現在でも、全国のNHO精神科病院や関連病院に当院から毎週講義を発信したり、逆にそれらの施設からの講義を当院で聴講したり、定期的に新潟県のさいがた医療センターと専攻医のための症例検討会を行っていたりします。それにより、九州にいながら、東北、関東、中部、沖縄といった異なる文化圏の精神科医療を垣間見ることができます。
また、地上3階建ての「医師養成研修センター」は、各種講演会・研修会を行う200⼈収容の⼤ホール、カンファレンスや症例検討会、研究会を⾏うセミナールーム、研修室、宿泊施設など最新の設備を備えた精神科医師養成のための専⽤施設です。
“ひぜん”では、精神科研修を病院一丸となって推し進め、日々改善しています。日本専門医機構から研修プログラムの骨格が示された際、当院の研修プログラムは既にそれに対応できており、今回提示するプログラムはそこからさらに進化したものとなっています。
そのプログラムを評価するのは研修を行う専攻医のみなさんですが、当院で研修を行った先生から勧められて研修を開始する専攻医も多数おられ、令和5年度には21人の専攻医が在籍されています。
毎月後期研修連絡会議を行い、後期研修のあり方、問題点を話し合い、各専攻医の状況把握を行っています。
研修プログラム全体の指導医数は113人となっており、充実した体制・環境で学ぶことができます。
疾患 | 外来患者数(年間) | 入院患者数(年間) |
---|---|---|
F0 | 4,986 | 1,649 |
F1 | 2,193 | 1,215 |
F2 | 7,137 | 4,392 |
F3 | 7,783 | 2,037 |
F4 F50 | 6,497 | 797 |
F4 F7 F8 F9 F50 | 8,168 | 840 |
F6 | 542 | 155 |
その他 | 1,477 | 304 |
1年間のプログラム施設全体の症例数は上記の通りとなっていて、豊富な症例を経験することができます。
ひぜんの精神科研修の特長
“ひぜん”の研修には、豊富な症例やオーダーメイドできる研修内容、全国から集まる仲間、専門資格の取得などの特長があります。
当院での臨床研修を誇りに思えるように
1. 豊富な症例
“ひぜん”は、病床数504床で、その中に精神科救急病棟、児童思春期病棟、認知症病棟、医療観察法病棟、嗜癖関連病棟といった専門病棟があります。当然、症例数も豊富にあり、専門医取得に必要な症例、指定医取得に必要な症例が、“ひぜん”だけで揃います。
外来にも、一般外来に加え、専門外来に多数の患者さんが来院します。デイナイトケア、訪問看護を行っており、地域精神科医療の症例も集められます。
さらに、新専門医制度開始に伴いプログラムを改変するにあたり、今まで当院だけでは不十分であったリエゾン研修を、佐賀大学医学部附属病院、佐賀県医療センター好生館にて行える体制を整えました。これにより、精神科臨床におけるほぼすべての領域をカバーすることとなりました。
同時に、症例を経験することだけに焦点が当たるのではなく、患者さんに寄り添う姿勢を大事にしたいと考えています。医療全般において、患者さんに対して生物・心理社会・文化といった多面的な評価、関与が必要とされており、精神科では特に重要です。
そういった視点を大事に思うと、患者さんとのつながりの大切さが実感されます。精神科では長い目でみる視点が大変重要であり、また患者さんのストレングスを大事にして寄り添うことの大切さは、長く寄り添わなければわからないものです。そういう意味で、“ひぜん”を中心にした研修では、半年や1年で研修施設を移りながら行うプログラムでは得られないものを得ることができます。
ひぜんで習得できる臨床経験
- 「精神科専門医」の取得に必要な臨床経験
- 「精神保健指定医」の取得に必要な臨床経験
- 資格取得を超えた本当に必要な臨床経験
2. オーダーメイドできる研修内容
専攻医の皆さんは、専門医の資格を得るために同じ目標をもって研修を行われます。しかし、専門医取得後の進路も様々ですし、そもそも専攻医の皆さん一人ひとりが色々な強みや弱みを持っておられます。
したがって、年度初めに専攻医一人ひとりと話し合い、標準的なプログラムをベースに年度ごとの重点課題や目標を個別に決め、それぞれに応じたペース配分を話し合い、プログラム管理委員会の承認を経て決定しています。
将来、児童、司法、認知症、嗜癖など専門領域に進んだり、臨床研究を行っていったりするために必要な研修をオーダーメイドで提供しています。また、半期毎の話し合いでは、専攻医の到達度だけでなく健康状態やさまざまな要望の確認も行い、安心してプログラムを継続できるように全力でサポートしています。
専攻医研修後の進路例
- 総合精神科
- 児童精神科
- 司法精神科医
- 認知症専門医
- 依存症専門医
- 大学院進学・研究
- 開業
3. 全国から集まる仲間
当院は学閥などがなく、地域性により北部九州の出身者が多いものの、全国から医師が集まっています。過去10年間で約30校の出身大学から約100名程が研修に参加し、同期となる専攻医も多いです。
専攻医は、病院内で研修を通じて切磋琢磨し、診療後は鳥栖、久留米、福岡、佐賀などで行われる飲み会、食事会で親睦を深めています。誰しも重症事例を担当して参ってしまいそうな時があると思います。その時救いとなるのは同期や仲間の存在です。
“ひぜん”の研修を通して仲間となり、研修後それぞれの道に進んだ後も、定期的に会って昔話を楽しんだり情報交換をすることができます。
精神科医療は、地域で異なる部分も多くあり、一つの地域での常識が別の地域では非常識であることもあり、全国的な医療モデルを考える上では、それぞれの地域のことを意見交換できることは非常に大事です。全国に多くの仲間ができることも、当院の研修プログラムの大きな魅力の一つです。
4. 専門資格の取得サポート
日本専門医機構による「精神科専門医」の資格取得と並行して、「精神保健指定医」の資格取得もサポートしており、各専攻医の経験・未経験項目を管理し、指導医と情報共有しながら、不足している経験を積み重ねていくことができます。
専門資格取得に際して、充実したサポート体制を整えており、レポート作成などに必要な時間もしっかり確保できるよう細やかに配慮した計画に沿って、安心して研修に取り組むことができ、多数の指導医から手厚いサポートも受けることができます。
研修プログラム参加募集概要
- 研修プログラム名
- 「ひぜん」(国立病院機構肥前精神医療センター)精神科専門医研修プログラム
- 専攻医 募集人数
- 若干名
- 応募方法
-
提出書類
- レジデント採用願書(所定の用紙)
- 履歴書(市販の用紙)
- 大学の卒業証書の写し、または卒業証明書
- 医師免許証写
- 研修希望コース(所定の用紙)
- 応募期間等
- 日本専門医機構のホームページをご参照ください。
- 書類提出先
- 〒842-0192 佐賀県神埼郡吉野ヶ里町三津160
独立行政法人国立病院機構 肥前精神医療センター
管理課 庶務班長
TEL:0952-52-3231 FAX:0952-53-2864
E-mail:607-contact@mail.hosp.go.jp - 選考方法
- 書類審査および面接 ※書類選考のうえ、順次面接を行います。
- 合否発表
- 面接後1週間以内に郵送にてご連絡いたします。
- プログラム詳細
- 下記PDFを参照ください。
医師(専攻医)は、当専門研修プログラムへの採用後、研修施設群のいずれかの施設と雇用契約を結ぶこととなります。
本専門研修プログラムは、日本精神神経学会による一次審査を通過したものであり、今後日本専門医機構による二次審査を踏まえて修正・変更があることを予めご承知おきください。
応募書類・詳細資料など
応募書類や詳細資料など、以下よりダウンロードできます。
病院見学
当院では研修を希望される医師を対象に病院見学日を設けております。見学を希望される方は 遠慮なくご相談ください。
見学は終日です。当院の主な病棟を見ていただく他、現在レジデントとして勤務中の医師から直接話が聞ける時間を設けております。
見学日は、医師臨床研修ページにてご確認ください。ぜひ一度見学においでください。