肥前精神医療センター

CLINICAL TRAINING

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PROGRAM

専門医研修プログラム

専門医を目指す皆さんが、それぞれの強みを活かして専門医として活躍できるよう、また一人ひとりと話し合いながら安心してプログラムを進められるよう、充実したサポート体制を構築しています。

ローテーションモデル

1年目 2年目 3年目
ひぜん標準コース
肥前精神医療センターでの研修の醍醐味を最も味わえるプログラムです。多くのレジデントがこのプログラムを受けて羽ばたきました。リエゾン研修は3ヵ月間、研修先は佐賀県医療センター 好生館で行います。
肥前精神医療センター 佐賀県医療
センター
好生館
肥前精神医療センター 希望する
専門分野
総合 認知症 嗜癖  児童 
ひぜん精神科専門コース
精神科の中でも将来の専門を決めているレジデントに好評なプログラムです。3年目に研修する専門分野は、認知症、嗜癖、児童から選択します。1年目に研修するリエゾン、各専門分野の研修期間は相談に応じます。ただし、専門研修に進むためには、2年目までにその他の症例等を修了していることが条件です。
肥前精神医療センター 佐賀県医療
センター
好生館
肥前精神医療センター
総合 嗜癖  認知症 児童 
ひぜん司法精神医学専門コース
精神医学の中で、NHOでの養成を大きく期待されている司法精神医学に進むコースです。
肥前精神医療センター 佐賀県医療
センター
好生館
肥前精神医療センター
総合 認知症 嗜癖   児童  司法
ひぜん臨床研究コース
将来研究をしたい専攻医向けのプログラムです。社会人大学院は、九州大学をはじめ、受け入れが可能で当院での勤務が可能であれば、どの大学でもいいです。
肥前精神医療センター 佐賀県医療
センター
好生館
肥前精神医療センター
総合 認知症 嗜癖   児童  社会人大学院
他施設連携コース
ひぜんだけではなく、他施設(他の地域、民間病院、大学病院)も経験したい人向けのコースです。

最低6ヵ月間は、必ず肥前精神医療センターで研修を行うことを条件とします。

例1
肥前精神医療センター 大学精神科
総合 認知症   嗜癖関連 児童   
例2
肥前精神医療センター 大学精神科 NHO または私立精神科病院
例3
肥前精神医療センター 地域研修施設 (NHOさいがた医療センター、NHO賀茂精神医療センター)

ローテーション詳細

1年目:総合研修

  • 精神科救急病棟に2~5名の急性期の患者さんを受け持ちます。慢性期病棟を2病棟受け持ち、6~10名の患者さんを受け持ちます。救急病棟の算定基準に合わない患者さんを他の病棟で受け持つこともあります。
  • 外来は、入院中に受け持った患者さんを外来でフォローアップします。新患の予診を毎週とります。発達障害診断外来の予診、結果説明の陪席を行います。
  • 臨床研究・臨床治験に参加します。
  • 佐賀県医療センター好生館にて、リエゾン研修を行います。

2年目:準ローテーション制

  • 精神科救急病棟での急性期治療とその他の1病棟に加えて、認知症・高次脳機能障害関連分野、嗜癖関連分野、児童思春期関連分野を4-6か月間に区切って行います。
  • 臨床研究・臨床治験に参加します。

3年目:専門分野研修等

  • 準ローテーションを終了していない者は、継続して行います。
  • 児童精神医学、司法精神医学、嗜癖関連精神医学、認知症・高次脳機能障害の専門分野の研修を重点的に行うことが可能です。
  • 他地域や民間病院での精神医療を学ぶために、NHO賀茂精神医療センター(広島県)、NHOさいがた医療センター(新潟県)、八幡厚生病院(福岡県北九州市)での研修も可能です。
  • また、九州大学、佐賀大学などの社会人大学院に進学し、当院で臨床や研究を行うことも可能です。
  • 臨床研究・臨床治験に参加します。
Complete System
プログラム全体の指導医数・症例数

研修プログラム全体の指導医数は113人となっており、充実した体制・環境で学ぶことができます。

疾患 外来患者数(年間) 入院患者数(年間)
F0 4,986 1,649
F1 2,193 1,215
F2 7,137 4,392
F3 7,783 2,037
F4 F50 6,497 797
F4 F7 F8 F9 F50 8,168 840
F6 542 155
その他 1,477 304

1年間のプログラム施設全体の症例数は上記の通りとなっていて、豊富な症例を経験することができます。

TARGET

プログラム目標

専攻医一人ひとりの強みや本人の希望などに沿って、年度毎の重点課題や目標を決めて、ペース配分などを含めて話し合いながら、各自にとって最適なオーダーメイドの研修を行っています。

年次到達目標

1年目:基礎固め

  • まず、面接の基本を指導医から学び、患者さんの苦悩に共感し寄り添う姿勢を身につけます。病気の症状や問題点を把握し精神医学用語を用いて記述する力をつける一方、患者さんの健康的な側面、ストレングスの把握に努めます。多職種と協働する姿勢も学びます。
  • 入院患者を中心に受け持つが、救急病棟では症例指導医の指導を受けながら、主治医として統合失調症、気分障害の患者さんを中心に受け持ち、面接の仕方、診断と治療計画、薬物療法及び精神療法の基本を学びます。行動制限の手続きなど、基本的な法律の知識も学習します。救急病棟では、週1、2回の回診に参加して、上記を学びます。慢性期の病棟の患者さんを5~10人程度受け持ち、その経過から精神科医療の歴史を学んだり、長期入院者の精神科リハビリテーションの実際を学んだり、新しい治療を導入するなどの試みを行ったりします。mECTを行う患者さんを担当し、適応、手技などを習得します。
  • 外来では、指導医の新患診察の予診についたり、陪席したりすることによって、面接の技法、患者との関係の構築の仕方、基本的な心理検査の評価などについて学習します。受け持った入院患者が外来に移行した場合は、指導医の指導を受けながら担当し、退院後の経過や地域生活を送るうえでの必要な知識や方法を多職種からも学びます。
  • 当直は指導医とともに月2、3回行い、救急対応、法律の知識、医療安全などを学びます。
  • デイケア、集団で行う心理プログラムを見学し学びます。
  • 退院前訪問看護や訪問看護に同行し、患者さんの自宅での様子や地域との関わりについても学びます。
  • 地域の保健師などとの患者さんについてのケア会議などに、指導医とともに参加します。
  • 知識の習得においては、毎週テレビ会議システムを用いて行われる講義(国立病院機構精神医学講義)により、専門医取得に必要な基礎から応用までを学びます。
  • 院内のカンファレンスで発表し討論します。
  • 佐賀県医療センター好生館などにおいて、リエゾン症例を経験します。

2年目:幅を広げる

  • 準ローテーションとして、認知症、児童、嗜癖の症例を4~6カ月ずつ集中的に、入院患者を中心に経験します。救急病棟において症例指導医の指導を受けながら、主治医として重症度の高い統合失調症、気分障害に加え、神経症性障害などの症例を経験します。
  • 外来では、指導医に相談しながら週1回再来患者の診察にあたります。
  • 指導医の指導を受けつつ、自立して、面接の仕方を深め、診断と治療計画の能力を充実させ、薬物療法の技法を向上させ、精神療法として認知行動療法と力動的精神療法等の基本的考え方と技法を学びます。
  • 論文作成や学会発表のための基礎知識について学び、地方会等で発表します。

3年目:深く学ぶ

  • 2年間の経験を踏まえて、指導医から自立して診療できるようにします。
  • 準ローテーションのうち、残っている分野があれば経験します。
  • 他の地域での精神科医療を経験したい者は、広島県の賀茂精神医療センターや新潟県のさいがた医療センター、北九州市の八幡厚生病院での研修も可能です。
  • 将来に向けて、児童精神医学、司法精神医学、嗜癖精神医学、認知症などの専門研修を3年目から行うことも可能です。但し、2年目までにその他の症例等を修了している必要があります。また、社会人大学院と並行することも可能です。
  • 救急病棟などでは、より重度な症例、パーソナリティ障害の治療についても経験します。刑事訴訟法による精神鑑定助手や医療観察法鑑定の主治医を担当します。
  • 認知行動療法や力動的精神療法等の精神療法を上級者の指導の下に実践します。
  • 心理社会的療法、精神科リハビリテーション・地域精神医療等を学びます。
  • 一般人を対象としたメンタルヘルスなどの講演や看護学生への精神医学の講義を行います。学会の総会や全国規模の研究会などで症例発表し、論文作成を行います。
  • 臨床研究・臨床治験に参加します。
SCHEDULE

研修の週間・年間計画

本人の希望に合わせて、専門医・指定医などに必要な症例を含めて、精神科領域の幅広い疾患や救急症例などの経験ができ、レポート作成などに必要な時間もしっかり確保できるよう、細やかに配慮した計画に沿って、安心して取り組むことができます。

週間スケジュール

曜日 午前 午後 夜間
8:30~9:00
児童G モーニング
カンファレンス
10:00~12:00 
院長回診 ※1
 
 
病棟診療
 
15:00~17:30
教育回診
 
火  外勤日
病棟診療 13:00~13:30 
脳波判読会
 
13:30~14:00 
医局会
 
14:00~14:30 
新入院報告会
 
14:30~15:00
チームミーティング
または 症例検討会 ※2
外来(予診 + 陪席) → 入院 病棟診療 17:30~翌朝 8:30
当直
8:30~9:00
モーニング
カンファレンス
外来(再診) 13:15~14:00
国立病院機構
精神医学講義
病棟診療
※1 : 担当病棟の回診に参加、※2 : 月に1度は症例検討会
国立病院機構精神医学講義
(基礎講座・応用講座)
当院では、毎週金曜日のお昼に、約1時間「ITを用いた多施設共同医師養成システム」の研修プログラムとして参加15施設の指導医が、交互に精神医学の基礎的知識から最先端の情報までを幅広く講義しています(50分×約40講)。
モーニング・カンファレンス
毎週金曜日の朝に、専攻医が受け持ち患者の症例提示や興味を持ったことについての発表を行い、指導医を交えて検討会を行っています。
新入院報告会
毎週水曜日の医局会後に、1週間で専攻医が受け持った入院患者について、簡単にプレゼンテーションをしてもらい、医局全員が把握する機会を持っています。
症例検討会
月1回、水曜日の新入院報告会後に行い、多くの指導医を交えて、困っている症例などについて症例検討を行っています。
院内カンファレンス
アルコール・薬物関連問題勉強会(ひみこクラブ)、児童思春期症例検討会(ひよこクラブ)、認知症勉強会などが定期的に行われています。
肥前セミナー
1986年から年に数回、国内外の著名人を招いて講演会を開催しています。毎回院内外から100名程度の参加があります。
先端精神医学セミナー
2013年度より最新のトピックスを中心に医師の関心のあるテーマについて、国内外から講師を招いて講演を行っています。
各種研修会
基幹施設では、院外からも講師を招いて「認知症高齢者対策研修」、「アルコール薬物関連問題研修会」、「行動療法研修会」、「精神科看護研修」、「CVPPP(包括的暴力防止プログラム)研修」、「司法精神医学研修会」、「ブリーフ・インターベンションワークショップ」などの全国規模の研修会を毎年開催しています。こうしたプログラムにも予め受講希望を申し出れば、参加が可能です。
臨床研究部
神経画像研究室、生化学・精神薬理研究室、高次脳機能研究室、行動生理研究室、心理研究室、司法精神医学研究室、社会精神医学研究室があり、専攻医も臨床を行いながら興味のある研究室で研究を行うことができます。
その他
司法精神医学専門研修コースを選択した専攻医でなくても、研修会に参加したり精神鑑定の助手を務めたりすることができます。(鑑定も主に責任能力を評価する鑑定と、医療の必要性・処遇を決定するものまで、種々に行っています)

年間スケジュール

4月
新入医局員・研修医オリエンテーション
CRAFT(依存症家族支援)研修
「お母さんの学習室」第1期開催
5月
 
6月
日本精神神経学会学術総会参加
日本司法精神医学会参加
日本老年精神医学会参加
医療安全研修会
CVPPP(包括的暴力防止プログラム)研修 1回目
7月
ブリーフインターベンション&HAPPY プログラム研修会 1回目
国立病院機構精神科レジデントフォーラム参加
精神保健福祉法及び行動制限最小化に伴う研修会
チーム医療研修「強度行動障害医療研修」
8月
精神看護研修
司法精神医療等人材養成研修
9月
「お母さんの学習室」第2期開催
医療安全研修会
強度行動障害を伴う発達障害チーム医療研修
10月
佐賀県精神科集談会参加
肥前精神医学セミナー
CVPPP(包括的暴力防止プログラム)研修 2回目
日本児童青年精神医学会参加
アルコール・薬物依存関連学会参加
院内感染対策研修会
虐待防止研修会
司法精神医療等人材養成研修
11月
認知症ケア研修
九州精神神経学会参加
国立病院総合医学会参加
日本臨床神経生理学会参加
12月
依存症に対する集団療法に係る研修(薬物)
佐賀県精神科集談会参加
院内感染対策研修会
ブリーフインターベンション&HAPPY プログラム研修会 2回目
司法精神医療等人材養成研修
1月
全国児童青年精神科医療施設協議会参加
アルコール依存症研修
2月
医療倫理研修
精神保健福祉法及び行動制限最小化に伴う研修会
メンタルヘルス研修
3月
佐賀県精神科集談会参加
九州地区重症心身障害研究会参加
司法精神医学研修
佐賀県かかりつけ医認知症対応力向上研修会
その他
肥前セミナー(年数回)
先端精神医学セミナー(年数回)
国立病院機構精神医学講義(基礎講座、応用講座)(週1回)
モーニングカンファレンス(週1回)
認知症多職種勉強会(月2回)
児童グループモーニングカンファレンス(週1回)
アルコール薬物関連問題勉強会(ひみこクラブ)(月1回)
BI(ブリーフインターベンション)&HAPPY勉強会(月1回)
刑事鑑定カンファレンス(随時)
佐賀大学臨床実習(隔週)
九州大学クリニカルクラークシップ(年1~2回)
DPAT研修会
新型コロナウイルス感染対策研修会
BLS 講習会

新型コロナウイルス感染対策等のため、中止されることがあります。時期は年度によって調整されるものもありますのでご了承ください。

Let's ENTRY
募集・応募情報

研修プログラム参加募集概要

研修プログラム名
「ひぜん」(国立病院機構肥前精神医療センター)精神科専門医研修プログラム
専攻医 募集人数
若干名
応募方法

提出書類

  1. レジデント採用願書(所定の用紙)
  2. 履歴書(市販の用紙)
  3. 大学の卒業証書の写し、または卒業証明書
  4. 医師免許証写
  5. 研修希望コース(所定の用紙)
応募期間等
日本専門医機構のホームページ をご参照ください。
書類提出先
〒842-0192 佐賀県神埼郡吉野ヶ里町三津160
独立行政法人国立病院機構 肥前精神医療センター
管理課 庶務班長
TEL:0952-52-3231  FAX:0952-53-2864
E-mail:607-contact@mail.hosp.go.jp
選考方法
書類審査および面接 ※書類選考のうえ、順次面接を行います。
合否発表
面接後1週間以内に郵送にてご連絡いたします。
プログラム詳細
PDFを参照ください。

医師(専攻医)は、当専門研修プログラムへの採用後、研修施設群のいずれかの施設と雇用契約を結ぶこととなります。

本専門研修プログラムは、日本精神神経学会による一次審査を通過したものであり、今後日本専門医機構による二次審査を踏まえて修正・変更があることを予めご承知おきください。

応募書類・詳細資料など

応募書類や詳細資料など、以下よりダウンロードできます。

病院見学

当院では研修を希望される医師を対象に病院見学日を設けております。見学を希望される方は 遠慮なくご相談ください。

見学は終日です。当院の主な病棟を見ていただく他、現在レジデントとして勤務中の医師から直接話が聞ける時間を設けております。

見学日は、医師臨床研修ページにてご確認ください。ぜひ一度見学においでください。

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関連情報

メディア掲載情報などをご紹介しています。

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子どものこころ専門医研修

子どものこころ専門医は、小児精神医学、小児心身医学を基礎として、子どもの精神疾患、神経発達症(発達障害)、心身症、不登校、虐待など、子どものこころの諸問題に対応する専門医です。

子どものこころ専門医研修
児童精神科研修

AD/HDや自閉症スペクトラムや精神遅滞などの発達障害、若年発症の統合失調症や気分障害、摂食障害や強迫性障害などの神経症圏、被虐待児やPTSDなどのトラウマ関連障害など、子どもの心や行動の問題のほとんどを経験できます。

児童精神科研修

メディア掲載情報

当院の専門研修に関する特集記事

当院の専門研修について、国立病院機構の研修医向け情報誌「NHO NEW WAVE」において、「精神科領域専門研修」として特集記事が掲載されました。

NHO NEW WAVE Vol.31
NHO NEW WAVE Vol.31より抜粋 11.6MB

m3.comに当院 和田医師の紹介記事が掲載

連載:ファーストレポート Vol.6 56歳医師、部長職を辞し「人生3度目の研修医」に

連載:ファーストレポート Vol.5 研修医1年目で結婚「ほとんど家にいない夫」に妻は…

m3.com(エムスリー)は、 33万人以上の医師が登録する 日本最大級の医療従事者専用サイトです。